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池田町・ビワタケヒデのおうちにて 続編

Posted on 11/09/2010 23:27 by なわでいず
100813_ビワタケヒデ「草なんかにダマされないで!」

100813_ビワタケヒデ「草なんかにダマされないで!」

もう一ヶ月以上書きかけだった…頑張って写真リサイズしたです。日付ゴマかしてます。

お盆の8月13日、十勝池田町の牧場へ、ビワタケヒデの見学にお邪魔させていただいた。

先のエントリ(参照「十勝・池田町のビワタケヒデに会ってきた」)

十勝は広い平野で、土地の6割が山という札幌市民にとって、新鮮味のある美しさ。池田町のこの牧場はさらに小高い場所に立地していて、平野部と遠くに日高山脈を臨む。これがなんーともいえない牧歌的風景。

前夜の強い雨で、占冠の道路の一部が通行止めとなったものの、当日は高速道路も通常どおりの通行が可能で、わたしは無事にやっぱり道を間違えた。高速道路の一部無料化実験に伴い、見事に十勝方面が無料解放されているので、それに便乗したかったのだけど、当然一応は都心にあたる札幌近郊は該当せず。無料区間スタート地点の「千歳東」て、どこだ。わかるはずもなく、結局フツーに千歳から乗り、200円とか半端な出費をしてみた。

まだ暗い4時すぎにに家を出られたので気分は焦らず、休憩もこまめにとり、するとちょっと早すぎてお邪魔ではないかと思しき9時前に池田町へ着いてしまった。ひとまず池田ワイン城で、まだ青いぶどうの実を眺めて歩き、時間をつぶしてから、いざタケヒデのおうちへ。

真夏の池田町は、すごく緑が濃い。雨上がりでいっそうあざやかになったのであろうグリーンが、夏とタケヒデに会える高揚感をもり立てる。

すぐに場長さんたちが気づいてくださり、どちらともなく挨拶と近況報告。

ステキな年賀状をありがとうございました!
(差出人:ビワタケヒデという年賀状をお送りいただいた)

去年は小学1年生と幼稚園の年長さんだった娘っ子たちは、ふたりとも小学生。そしてニューフェイスのでっかいワンコが飛びかかってきた。

「大きいんだけど、まだ(生後)半年の子犬なんだよね」

恐怖に逃げ惑う息子を、それはそれはもうワンコ大喜びで追いかけ回し、しゃがみこんだ背におんぶするように前脚をかけ、息子ギャン泣き。爆笑。

なんで馬が触れて、遠くの犬ならかわいいって言うくせに、近づいてきたら怖いかなぁ。

夏はアブが多いとのことで、夜間放牧にして、日中は馬房で過ごしているタケヒデ、今日は前夜の雨がアブを減らしてくれたから、早朝からまだ放しているという。ヤッター!!外でタケヒデに会えるー!!

場長さんの一歩後ろを、まだ動悸が激しいであろう息子とともに歩き、タケヒデの放牧地へ向かった。

クロックスバヤで来たことを後悔するほど芝生の上はグヂャグヂャ。靴下真っ黒になりそう‥‥‥ん?なんかニョロッとするものが左足にからまってない?

ギャアアアアアアアアアアアアアア

ヘビーーーーーーーーッ!!!

たぶんサザエさん級に飛び上がって、つないでた息子の手が離れたんだろう。だけど隣の息子方面へヘビが進み、今度は息子も負けじと盛大なジャンプを見せた。大号泣。「やだーこわいー」さすがに母もこればっかりは…。

場長さん:「大丈夫。たぶんアオダイショウだよ。毒はないから

いや、毒がなくても怖いです・・・・・・・・・・・

5月に帯広まで来たものの、流産が出てしまったので、見学は辞退している。馬の流産が出ると、戒厳令が敷かれ、厩舎の出入口への消毒液を含んだマットの設置や牧場への出入り禁止の措置がとられる。招いてはいただいたけれど、さすがにそれは甘えるわけにはいかないから、ばんえい競馬を楽しんで次を楽しみに待つことにした。残念ながらわたしは体力も根性もないダメ人間で、3連休でないととてもここまで来られない。やむなく8月まで「十勝」「タケヒデ」「池田」「タケヒデ」「ばんえい」「豚丼」とブツブツつぶやきながら、この日をずっと待っていた。

ヘビのショックに激しく心臓を鼓動させつつ、タケヒデとの再会にも胸が高鳴り…

100813_池田町にてビワタケヒデ「またアナタですか。サービスですよ」

100813_池田町にてビワタケヒデ「またアナタですか。サービスですよ」

雨のせいでまるまる一日厩舎に閉じ込められ、ようやっと解放されたタケヒデは、放牧地に放されるやいなやゴロンゴロンしたそうで、盛大にドロドロで、でもとても元気そう。

「タケヒデー!しばらくだね、元気だった?」

場長さんパワーか、タケヒデはすんなりとこちらに近づいてきてくれた。

神様・・・・・・・・・・・(´;ω;`)

デジタル一眼レフカメラを持ってから初めて会うタケヒデ。取説くらいきちんと読めばよかったと死ぬほど後悔。

「好きなだけ見ててねー」場長さんのお言葉に甘え、いつしかいなくなった息子は娘っ子ちゃんたちの子守りに甘え、タケヒデをひとり占め。デレデレ。

思えば鼻に白のかかっている右側からのショットを狙いがちだったのだけど、右目を失ってからのタケヒデはこの写真でわかるだろうか、やや左を前にして行動しているみたいで、わたしの撮ってきた写真も左側からのアングルばかり。視力の問題なんだろうか。娘ちゃんたち曰く、右目に触れられるのを嫌がるんだそうだ。眼球を摘出して落ちくぼんだ眼窩には、どうして土ぼこりが入ってしまう。それを払ってあげようとしても、拒絶する様子を、「右の目は見せたくないって思ってるんだよ」と言う。子どもの邪気のない視点でそう感じるならば、本当にそうなのかもしれない。プライド高きパシフィカスの息子なんだもの。

誇り高く、だけど寂しがり屋のタケヒデちゃん。大きくなったパートナーのアテ馬候補くんとは、序列はしっかり保ちつつとても仲良くしている。

100813_池田町にてビワタケヒデ、アブに噛まれた痕のかき合い?

100813_池田町にてビワタケヒデ、アブに噛まれた痕のかき合い?

暑さはともかく、アブは想像以上のものだったようで、肩のあたりはでっかい虫さされのようなデコボコがいくつもある。か、かゆいだろうなぁ‥‥‥ぜひかかせていただこうとポリポリしてみたものの、加減がどのくらいか見当がつかず、我ながら弱々しく。タケヒデも「失格」みたいな顔をして、お友だちのところへ戻ってしまう。うれしいのは、それでもわたしに肩を触れさせてくれたこと。お友だちが懐っこいコだけに、タケヒデもそっと見習っているのかな?夢にも見るタケヒデのぬくもりは、湿度の高い炎天下でも幸せ。

馬の親子で見られるような、たてがみの根元や首すじのガブガブしあいっこなんかを、タケヒデから誘っている。タケヒデ、いいお兄ちゃん役はできてる?体調はどう?おなか痛くなったりしてない?相変わらずきれいな顔をしているねぇ。本当にカッコいいよ。ほんとはかわいいって思っているんだけど、タケヒデもはや15歳。「カワイイ」とは言われたくあるまい。

100813_池田町にてビワタケヒデ耳打ち「アイツ、ストーカーらしい」

100813_池田町にてビワタケヒデ耳打ち「アイツ、ストーカーらしい」

ひとりでぶつぶつ言っていたら、この仕打ち。

「アイツ、ストーカーらしいんだ。CBスタッドで種馬してたときからいーっつも見てた。でもキモイだけで悪さはしないから、キミも心配ないよ」

程度で済んでいればいいなと思う(少し悲しげに)。

お友だちクンが「えっ」て顔をしたので、なんだかそんな悲観的な想像をしてしまって、ひとり笑って。やっぱり気持ち悪がられていたらどうしよう。

100813_池田町にてビワタケヒデとお友だちの寝顔?

100813_池田町にてビワタケヒデとお友だちの寝顔?

しばらく黙って彼らを見ていたら、少しずつ近づいてきてくれた。わーい。

ただただ眺めていたら、今度は仲良くまどろんだ。シャッター音も申し訳なくなるほどだった。

ごめんタケヒデ。やっぱりカワイイ…

リードをつけられたワンコを強気に追い回す息子を尻目に、他の馬もご紹介していただいた。てへ。すんません。

女子のみなさんは、厩舎で悠々とお休みになられていた。近づくとわたしでもウッとくるほどのパワーがある扇風機をいくつも置いてあり、それぞれリラックスしているご様子。

100813_馬房にてダイナフェアリー26歳

100813_馬房にてダイナフェアリー26歳

以前ライブドアブログで記していたのだが(参照:往復507キロ、十勝池田町へ@LDブログ)ここは社台の預託が多く、名牝もこちらでのびのびと余生を送っている。現役の繁殖、しかも空胎馬より速いバアさんと笑われているのが、かのダイナフェアリー。自らも牡馬に混じって朝日CCなど重賞を3勝した名馬にして、母となってからはダービーのダークホースと呼ばれたサマーサスピションや、セントライト記念・AJC杯・日経賞・目黒記念を勝ったローゼンカバリーなどを送り出した、すさまじき名牝。

本当に大切にされてきたのだろう、まったく物怖じしないフェアリー。26歳とは思えないルックス、もはや妖精どころか魔女なダイナフェアリー。超憧れる。

そして、こちらも昨年のゼンノロブロイで引退したと思っていたのに、なんと齢24にして通算18頭目?を受胎してしまった牝馬がいた。まぶしい栗毛は父ディクタスから譲り受けた全兄のサッカーボーイに似て、サンデーサイレンスの牡駒はわたしを泣きに泣かせたアイツだ。

彼女の名はゴールデンサッシュ。一番息子はかのステイゴールド。
今年はダンスインザダークを受胎しているとのこと。ラストクロップとする予定のサッシュ、無事に来春を迎えてくれることを祈るばかり。

忍び足で厩舎をあとにして、今度は子どもたちも一緒にタケヒデの放牧地に戻り、しばらく遊んでからおいとました。夏の十勝にするりと溶け込んだタケヒデも、変わらずいとおしく、これからの長い家路が暗くなるのはイヤだけど、別れが惜しかった。タケヒデはそうでもなかっただろうけど。

近々札幌で走る、勝てそうな生産馬の話をうかがい、タケヒデを引く手を振ってくださった皆様、今回もご親切に招き入れてくださり、本当にありがとうございました。恐縮ではございますが、また、必ず、お邪魔させてください。タケヒデ、それまでどうか元気で。

これがわたしたちのお盆。

関連リンク:「十勝・池田町のビワタケヒデに会ってきた

:「2010/10/09 ビワタケヒデ肥ゆる秋


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