ビワタケヒデを本当に好きなのか考察した 1
ここ数日、ずっと考えていた。
「わたしはビワタケヒデが本当にきちんと大好きだろうか?」
競馬仲間に聞かれたら「アホか!」と笑い飛ばすような愚問とストレートに思えるはずなのだけど、それでももう一度真剣に自問自答していた。
タケヒデに会ったのは、彼が屈腱炎を患い、種牡馬としてスタッドインしたCBスタッドが最初で、それは全兄・ナリタブライアンが死んで間もなくのことだった。
ナリタブライアンに魅せられて競馬の底なし沼に溺れていったわたし。ナリタブライアンの全弟は1995年生まれのビワタケヒデ・1997年生まれのビワタイテイの2頭がいる。3頭いたはずのパシフィカス×ブライアンズタイムの牡馬で存命しているのはタケヒデだけ。
さしもの愚鈍なわたしも、ブライアンズタイムとナリタブライアンの共通してもつ雰囲気には驚愕させられるほどだった。ナリタブライアンの死後、放牧地にたたずむブライアンズタイムを見て、心臓が止まるような思いをした。
ブライアンズタイムとビワタケヒデはそれほど似ているとは思わないけれど、ナリタブライアンとビワタケヒデはよく似ている。おデコの白、鼻にかかる白、やや細身で優美な肢体、繊細そうな、高貴な部分は酷似していた。
しばらくはタケヒデを見るとギクッとして、胸が痛み、上品な顔と向き合えばブライアンを投影して泣いてしまうことをやっぱり泣いて詫びていた。
どことなく贖罪を感じていた。