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ウオッカ、引退

Posted on 08/03/2010 22:40 by なわでいず

http://www.daily.co.jp/horse/2010/03/07/0002764278.shtml

喪失感。

歴史的名牝の走りはもう見られない。ウオッカ(牝6歳、栗東・角居)がラストランに予定していた27日のドバイワールドC(UAEメイダン)を回避、その まま引退することが6日、分かった。4日のマクトゥームチャレンジ・ラウンド3(メイダン)で8着に敗退後、運動性肺出血鼻出血を発症。谷水雄三オーナー と角居勝彦調教師が協議の結果、引退が決定した。7日、角居師が正式に発表する。

ウオッカは、陣痛が来るまでつわりのひどかったわたしが
競馬から必然的にフェードアウトしてしまったころに
ぐいっと引き戻してくれた功労馬だと言える。

美人で強い馬、それだけで魅力的だった。

 

その強さと馬名から連想するに、タニノギムレットの
妹なんだろうと(振り返ると恥ずかしいことだ)
なんとなく思っていた。

もとは血統フェチで、スイーブやシラオキ系をめざとく
見つけては発狂するようなアホタレだっただけに、
このころはまだまだフェードアウト気味だったわけだ。

あるときふと血統を知り、「いいなぁ」が

「大好き!」にシフトした。

現地で観戦した初めての皐月賞のパドックでの
雰囲気に「ダービーを勝てるのはこういう馬だ」と
漠然と感じた馬が、タニノギムレットだった。
レース後、おなじく札幌から出てきていた友人と
同じことを話していて、

続いてやはり現地で観戦したダービー、

応援馬はもちろんナリタブライアン産駒の
ダイタクフラッグだったのだけれど、雷鳴轟く
レースを先頭で彼が駆け抜けてきた瞬間の興奮は
いまも鮮明に憶えている。

ウオッカは、そんな思い入れのあるタニノギムレットの
娘であるばかりか、
あのタニノシスターの娘だったのだ。

 

100308_1995/06/11/札幌競馬場タニノシスターデビュー戦

100308_1995/06/11/札幌競馬場タニノシスターデビュー戦

タニノシスター@netkeiba.com

タニノシスターは、わたしにとって忘れられない牝馬の一頭。

1994年秋、ナリタブライアンの三冠達成に胸を打たれて競馬の
泥沼にハマっていったわたしにとって、はじめてのJRA生開催を
観られた、1995年JRA札幌開催。

前週の宝塚記念、はじめての「わたしの夢」に据えた
ライスシャワーの悲報に泣き、競馬の厳しさを知り、
少し迷いながらも向かった、はじめての札幌開催。

インターネットはまだはじめていなかったものの
すでにGallopや週刊ブックを愛読していたので、
事前にどの番組にどんな期待馬がいるか調べていた。

Gallopで大好きな故・境勝太郎先生がお得意のラッパを
吹いていたサクラジェットオーのデビュー戦が目当て。
(そして南井騎手と横山典弘騎手も…)

パドックにやってきた栗毛のなかで、わたしの意識を
ひときわ奪ったのは、残念ながら小鳥のようにきゃしゃな
ジェットオーではなく、森厩舎のトレードマークである
赤い馬具とムチッとしたおしりがめちゃくちゃかわいい
タニノシスターだった。

そうしてシャッターを切ったのが、この写真。

そのレースは1.3倍の圧倒的人気だったサクラジェットオーが
デビュー戦を勝利で飾ったが、アタマまで彼を追い詰めたのは
単勝4番人気、14倍のタニノシスターだった。

この年ほど思い出深い札幌開催はないかもしれない。

エアグルーヴはデビューするわ、札幌3歳Sはビワハイジだわ、
トロットサンダーが札幌記念に出走してくるわ…

札幌を離れてからの彼女の戦績は、グリーンチャンネルに
加入していなかったわたしには、ウインズに行くか、
Gallopなどの雑誌でのレース結果を読みあさるだけだった。

岡部さん、松永幹夫騎手など、名手たちが手綱をとっても
なかなか勝ちきれなかったシスターは、年明けのダート1400m
未勝利で、1秒8差の大差で勝ち上がった。

報知杯4歳牝馬特別では5着も、直前の500万下で勝ち上がり
抽選で桜花賞にも出走を果たした。
このときの勝利馬はファイトガリバー、
3歳(現表記で2歳)女王のビワハイジも出走している。

もっぱら自宅でテレビ観戦だったわたしが珍しく
まだまだ肌寒い札幌競馬場へ出向き、単勝を1000円
握りしめ、そっと彼女を追っていた。

2000年ころだろうか、森先生とお話しする機会に
恵まれた。

名調教師を前に舞い上がり、意味不明に大好きな
森厩舎所属馬を口走った。
「フジヤマケンザンと、タニノシスターと…」

「本当よく走ってくれた子だったよね
いいお母さんになってくれるといいね」

そんなようなことをおっしゃっていらしたと思う。

そうしてときは流れ、歴史的名牝の母となっていた
タニノシスター。

今度はシーザスターズとの13冠ベイビーの
おばあちゃんになってしまうのだ。

名勝負を繰り広げたダイワスカーレットがママとなった
ときを同じくして、レッドディザイアにたすきを渡して
ウオッカは「次の競馬」へ、歩を進める。

競馬は血、あるいは記憶のゲームだと言われることもある。

チチカステナンゴってだれ?状態から脱して
ウオッカの仔どもたちを待っていたい。

ちょっと涙が出ちゃうんだけど、無事であることへの
安堵と感謝。

遠くアイルランドへ思いを馳せる。

ありがとう。

ぜったい、待ってるから。

 

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