MARVELひどい父選手権
公開されたら大ヒットのマーベル・シネマティック・ユニバースのなかでも金字塔をマッハで打ち立てた『ブラックパンサー』。
ヒーローが国王である父親の後ろ暗い過去に思い悩むという点で『マイティ・ソー バトルロイヤル』(ところでこれ原題ラグナロクでよかったんじゃないか)がよぎった。
細かいこと言うと、
ソー:とんでもない悪行の途中で満足を得て改心したというか保身に走ったというか
ブラックパンサー:完全に正しくないが「国のため」と信じての悪行だった
と、ベクトルは違っているんだけども。
現在の安定した国家は大きな犠牲の上に成り立っていたことが明るみに出た。
いずれも後継の息子がそれを知り苦しむさまは、よりよい統治者であろうとする姿勢を浮き彫りにする。
そしてその大きな決断がいっそう彼らへの声援を大きくする。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』スター・ロードことピーター・クイルの父は天上人エゴ。神みたいな存在で、自身の他にみつけた生体にことごとく失望し、銀河を自身だけのものにせんと自身の子孫すら単なる征服のためのエネルギーとして培養した。
統治者でも正義感でもなくアホでクズだけど、幼い自身を残したままやせ細って生命の灯が消えた母の死因はエゴによるものだったと知ったクイルの怒りと底知れないパワーは、雷神様のパワーを呼び起こしたソーとかぶる。
『ブラックパンサー』と『ソー』は、対決する相手がなにひとつ正しくないものの、父親の悪行に強い悪影響を受けたものでもあり、偉大なる息子たちはその葛藤にも苦しむところも通じる。
『父ダメ 本人苦しい 根絶やし』3行で説明するならおなじなのに、こんなにも変わる。それぞれがおもしろい。
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