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息子の経過|ストラテラ処方から5週間

Posted on 23/02/2011 23:24 by なわでいず

高機能自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害と診断されている6歳の息子が、「これが高機能自閉症ね」と診断した医師からストラテラを処方されて4週間が経過するところでこれを書きかけ、5週間目を迎えている。

※過去のエントリ

最初は2週間分の処方、朝夕各5mg、計10mg/日で スタート、副作用と思しき症状が一気に出た。頭痛、食欲減退、全身のかゆみ、顔色も心なしかよくなかった。体重は 800g減少。医師の判断で4日目からまる3日間分相当の6回を投薬休止、その後は毎日夜のみ5mg投薬して一週間。診察を経て再び10mg/日×2週間分の処方がなされて続けること2週間。

診察前日には「これはストラテラ中止だろう」と思った。ストラテラ処方時におおよそ24kgを前後していた体重は23.2kgほどまで減少、ストラテラを一日5mgに減量して23.6kg程度まで戻したが、その後10mg/日の服薬をはじめると23.3kg前後で推移して、とうとう22.9kgまで落ちていた。

しかし初めての処方から4週が経過した診察当日、ふたたび23.3kg。

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

食欲不振にと胃腸薬セルベックスをストラテラと一緒に毎日2回、頭痛を起こした際にとカロナールを頓服で処方されてはいたが、次に頭痛を訴えたら「ストラテラやめましょう。コンサータを試しましょう」と言われていた。正直、ストラテラでダメなら投薬は中止するんだろうと思っていたので、ちょっと驚いた。

わたしの思考も弱っていた。重大な決断なのだから熟考していないはずがない。処方していただく医師も複数から選んだ。とはいえ、投薬という選択じたいが軽率ではないのかという背徳心は拭えずにここまでやってきたことも、否定はできない。

もともと息子はよく食べる子で、食が細いと嘆くママの心労は想像がつかないほどだった。暮れの関西遠征では、念願の粉モン祭でネギ焼きにモダン焼き、お好み焼きに焼そばなどなど6人前を、同席のわたしを含む成人女性3名に劣らず平らげたくらいだ。我が子が食べ物に目をキラキラさせないというのは、かくもつらいことだった。

息子の好きそうなものばかりをつくった。食事を摂らなければおやつなんて言語道断だったのも解禁、プリンでもチョコレートでもなんでもよかった。少しでも口にしてほしかった。全部食べたらテレビも許した。そして、診察前夜、便秘で苦しんでいた。トイレのドアを開け放ち、ウンウンうなること40分。諦めろといっても涙目で踏ん張って出していた。

保育園にも逐一報告しており、保育園でも様子を仔細に伝えてくださった。息子がランチを食べなければすぐに連絡が入った。食べなければその理由を問い、給食室に掛け合い、いまある材料で何か息子が口にしそうなものを用意してくださったり、園長じきじきに職員室へ誘い、自身のおやつの酢昆布を分けてくださったりしていた。園長先生が大好きだからこそツッコんだ。酢昆布ww

わたしの意向と保育士たちの思いは、どちらも明言するのはためらわれることまでもが合致していた。

「それでも薬を飲ませなきゃいけないことがあるだろうか?」

前のエントリで記したように、息子は苦痛を訴えないことが多い。保育園でもその様子を熟知されていてくれる。ここは医師に直接、息子の声を訊いていただこうと思った。

結論から述べると(もう前置き長いですけど)「続行」。

最初の顕著な副作用からはずいぶんよくなっていること、しかしながら増量にはまだ早いと判断されてのことだろう。この医師は多くの患者から厚い信頼を寄せられており、わたしもそれにならった格好ではあるが、結論に至る経緯の説明が、ない。言葉数の少ない先生で、「ソースは自分で勉強してね」みたいな、塾の特高クラスか!みたいな。

わたしの考えを述べ、先生から息子に直接、食欲について質問していただけないかお願いもしてみたが、「結果がどうであるかが肝要で、それはおかあさんから今聞きましたから」。

うん、そうなんですけどね…

信者のような方々が周囲にいるからこその、7ヶ月待っての受診だったのだが、ソリが合わずに通院をやめた方もまた身近にいる理由も、わからなくもない。このエントリの文体が如実にそれを表していることだろう。

食欲がわいてくれるようにドグマチールというお薬を出しますから

脳、停止。

ドグマチール。

ドグマチール?

ドグマチール!

数秒後、たまらず「へっ」と言ってしまった。「まあ主目的は精神安定剤的なね、十二指腸潰瘍とかだけど、食欲増進作用もあるからね」と先生は続けられた。わかります。そうですよね…。

ドグマチールはスルピリドである。わたしには胃潰瘍・十二指腸潰瘍よりも、うつ病や統合失調症に処方されるという印象が強い。ほんとのことを言うと、息子へ飲ませるのはちょっと迷いたいとこっそり思った。処方に口を出さなかったのは、わたしが飲めばいいやぐらいに気持ちを切り替えたから。息子に飲ませるには抵抗があった。

調剤薬局ではご親切にもドグマチール細粒と胃腸薬(セルベックス細粒10%)を混合してくださってしまった。

おーう。

帰宅して調べてやっぱり不安がつのった。あの、成人向けの投与量しか記されていませんが。読み進めて悪寒。

小児等に対する有効性及び安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)

怖いです……

どの薬にもあり得るのだろうけれど、副作用のひとつに挙げられている「遅発性ジスキネジア」の字に脳が踊る。ジスキネジア・アカシジアと聞くと、恐ろしい記憶がよみがえる。実は体感してしまった過去がある。

未だにそれがなんという薬だったかを知らされていない。後日聞きにいったが教えてくれなかったのだ。精神の壊滅を予期して、思いきって心療内科を訪ねてみた。問診のあとに注射されて間もなく、ひどく息苦しくなった。当時はカナヅチだったからか、息が苦しいという理解不能の状況でパニックに陥った。周囲の許可を得ようだなんて思慮にも至らず、外の空気を吸いたくて窓を開けようと窓際に走った。つもりなんだけど、足が前に進まない。足がもつれてヨロヨロする。口をパクパクさせてヨレヨレと窓に向かったわたしは、気の触れた自殺志願者に見えたと後日医師に弁明されたが、とにかくそれを止められ、病院を追い出された。

そんな状態がどんどんひどくなり、追い出されてもタクシーを停めることすらできなくなっていた。

まず眼球が意思と無関係にキョロキョロ動き止まらなくなった。かろうじて乗れたら、次は行き先が言えない。舌がやはり意思にそぐわず喉へ入り込もうとしてニュルニュル動き、ろれつがまわらないどころでない。ようやく帰宅できても2階に上がれない。はいつくばって布団に倒れ込んだら、どこが天井なのかわからないほど全身がグルグルグルグルして、助けを呼ぶにもケータイを取り出すことすらできなくなった。

帰宅した家人に救急病院へ連れていってもらい、注射されたのがタスモリンという薬だった。強烈なトラウマが残り、しばらくタスモリン錠剤を処方してもらっていた。

突発性難聴で1ヶ月くらいステロイド点滴を毎日3時間受けていたときの苦痛もなかなかのものだったが(四六時中水に潜っているようなボコボコモゴモゴした音が両耳に鳴り、平衡感覚を失い、話し声は聞こえづらいのにドアの開閉や車のエンジン音などが無駄に頭蓋骨まで響いた)、このジスキネジアの苦痛となにより恐怖は、忘れられないマイナスの記憶だ。

ジスキネジアがあらわれる可能性のある薬なら掃いて捨てるほどあるだろう。それでも回避はできなかったかと、あの苦しみが次に息子を襲ったらと、2晩は延々悩んだ。

何かあれば救急病院も視野に入れ、木曜日に処方された薬を飲ませられたのは、日曜日。手が震えた。幸いにも粉薬だって平気になった息子は上手に飲んでくれた。予後には特に変化はみられない。精神的な面ではまったく効いちゃいないw

食欲はそれなりにある。判断に迷うのは、木曜日の夜にはこれまた6歳児の領域を超える量の夕飯を食べていたこと。ドグマチールを飲む前から食べる量は増えている。5日間が経ち、ムラのある食事量に翻弄されてはいるが、以前ほど明らかな食欲不振はない。

うっかり風邪が長引いてしまった母と暮らしていながら、息子は一昨日からセキとノドにちょっと症状が出ているくらいで、大したことになっていない。元気な証拠であればいいなと思う。

次の診察は3月。仕事でご迷惑をおかけして、いつにも増して冷ややかな視線をあびながらも、早出で最低限の仕事だけこなして早退する。毎日クタクタではあるが、慎重に様子を見ていきたい。


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