死にたくなったら俺を見ろ

https://www.youtube.com/channel/UCL6JY2DXJNDOIqCP1CRADng

今朝になってスーツケースを埋め始めたアホ息子が佐賀に向かって旅立った。
先々週「帰ったら話したいことがある」から3日間経っても何も話し始めないので尋ねたところ「友だちと佐賀に行こうと思ってたんだけど、一緒にプレイしてるゲームのサ終が決まってそれどころじゃなくなって」と言っていた息子。それからなんの進捗もないものの有給は取っているので「佐賀に行かないならば去年行こうとして中止していた函館とかお友だちとちょっとした旅行に行く計画でも立てるのはどう?」などと提案したこともあった。それが昨日、6月27日に帰宅するなり「明日からやっぱり佐賀に行くことにした」
えっ…?

息子は5歳のときにADHDとアスペルガーと診断を受けた。主治医に投薬を勧められて半年間迷った。結局6歳のときから処方を受け、あまりの副作用に苦しみとても飲ませたくないと相談しては休薬、ごく控えめの量で再開を繰り返して現在の処方量になった。そして当人の苦しみはほぼわかってあげられてはいないであろう罪悪感に苛まれつつも、落ち着いているときならばむしろその辺の人たちよりよほど周囲に配慮することができる子に成長してくれている。
とはいえ「先の見通しを立てる能力が壊滅的」の特性が何もさせない地獄。飛行機も押さえていないのに寝ようとしている……。昨夜はまずは正気なのを3度確認したのちエアを色々調べてお値段控えめなLCCの往復路を確保。小僧どもは直前の飛行機のため大手エアばかりかエアドゥまでもが冷酷に表示している片道14万円(!!)でも他と比較精査することなく「仕方ない」と支払いかねない。「ホテルは?」「僕はレンタカーでもいいと思うんだよね。車中泊で」「お友だちはレンタカーが借りられるほど運転歴あった?あと男子三人が寝られるサイズの車を借りるくらいならば泊まれるホテルがあると思うんだけど」「レンタカーの値段知らないし」「知れ!」何もかもがこの調子。
電子マネーを使わない息子に持たせられるほどの現金はないので20時過ぎにATMへ。奥の部屋からスーツケースを取り出して渡したのに今朝まで空っぽ。そして起き抜けにエガちゃんねるを見ようとしているところでとうとう怒鳴った。
着替えはわたしの寝室のタンスに置いているのだけど、着る服に対して洗濯へ出す服が少ないので息子の寝室に溜まっていることはわかっているが、再三言っても出さないことにもハチ切れて「持ってく服も足りないから洗濯物を全部持ってこい」と言い渡したら、身長180cmの息子の両腕にいっぱいの洋服が2度ほど出された。殺意をこらえながら「この辺は急いで乾かして持たせたい」と思しき洗濯物をピックアップしていると「正午に友だちが車で迎えにくる」ねえ今何時だと思う?10時半。あと1時間半!!!!!親の顔が見てみたいよ…………

小さな頃はUSJや京都、東京に函館、十勝とあちこち旅してきた。父母と呼ぶ夫婦が離農するまでは彼らのサラブレッド生産牧場に月に一度は泊まりがけで遊びに行っていた。それから二次障害がひどく苦しい年月があった。警察に児相に家裁。ダメージが大きすぎて脳の萎縮を感じた。進学と同時に寄宿舎へ。少しまともに会話ができるようになった頃、友人に紹介されたのがエガちゃんねるだった。

わたしたち親子はエガちゃんに会ったことがある。あれは息子が保育園児だったとき、JRA札幌開催のイベントゲストとして登場したのだ。テレビではあまりの過激さに若干ヒキ気味ではあったけれどもお笑いをそもそもあまり見ないわたしにとっては稀有な「見たい芸人」だった。
札幌競馬に人生を費やしていた終末期であったから、札幌競馬場コース真ん中にステージを設置するときはゲストは芝コース脇を歩いてくることも把握している。しかしエガちゃんはなかなか出てこない。素晴らしい写真を撮る友人と二人、大きなカメラを抱えてときにレンズを双眼鏡の代わりにしては「エガちゃんまだ来ないかな」と話していた。
芝生コースにはレースの合間や終了後に芝生のコンディションを整えにJRAのスタッフがトンボのような道具で芝生を叩いているだけ。

そのうちの一人がJRAの薄い緑色の帽子とウエアをバッと脱ぎ捨て上半身裸になってステージへ走り始めた。エガちゃんだ。それだけで爆笑。
そして最前列に陣取っていた息子の前でエガちゃんは黒スパッツを脱ぎブリーフ姿に。そしてブリーフに手をかける。悲鳴の上がるなか躊躇なく白いブリーフを脱ぎ捨てるエガちゃん、しっかりとビキニを穿いていた。呼吸困難になっている息子の前にお尻を突き出して「プゥ」でもう私たちは声も出ないほど苦しんだ。
撮影を静止するJRAスタッフのアナウンスにもマイクを通さず「俺を撮れええええええ残せええええええ」と雄叫び。もうずっと涙を流して笑いっぱなしの最高の夏の思い出となった。

エガちゃんはYouTubeにステージを移しても変わらない強烈な下品なこともする一方で、素顔のうかがえる様子もよく見せた。良識的で仲間思いのオジサンなのだ。死にたくなったら俺を見ろ。笑え。生きろ。なんだかもうぐちゃぐちゃに笑いながら泣いて夢中で過去の配信を見た。息子にも紹介するとエガちゃんに会えた記憶がくっきりと残っており、やはり見て大笑い。寄宿舎へ迎えに行く金曜日の夜は一緒にエガちゃんねるの新しい動画を見ることが習慣となっていった。それは息子が卒業してからも変わらず、月曜と金曜の朝にはほぼ必ず揃って配信を見ている。
正々堂々と営業妨害をすると、本当にわたしたち親子はエガちゃんに救われて今がある。エガちゃんありがとう。これからも好きです。息子は多分もっとエガちゃんのことが好きだ。頼むから健康でいてほしい。
そんなバタバタを経て息子は初の親の手を離れた旅先としてエガちゃんのお誕生日の近づく彼の故郷である佐賀を選び飛んだ。宿を決めずに向かう男児三人、たくさんのかけがえのない思い出となる経験と出会ってほしい。母としては「生きて帰れ」しかない笑

※エガちゃんねる現時点での最新作『お尻のアナと雪の女王』は下品にも程があるので初心者にはお勧めできません(うちは親子であまりの汚さにヤジを飛ばしながら涙を流して大爆笑)

作成者: なわでいず

北海道の人です