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芦毛の女神 – エイシンバーリン

Posted on 03/11/2010 03:32 by なわでいず
101024_浦河にて_エイシンバーリン顔

101024_浦河にて_エイシンバーリン顔

今夏の札幌開催で好きになった馬が芦毛の牝馬だった

彼女・レーヴディソールのウサギみたいな顔立ちとレースぶりにときめいて、思い出す馬がいた。

芦毛はとくに好きな毛色ではないわたしに珍しく、これでもかと好きだった馬がいる。

エイシンバーリン。

不思議なご縁があるもので、彼女のすごい功績のひとつ、芝1200mで1分7秒台の壁を日本で初めて突き破った記録は、つい先日会ってきたアグネスワールドに破られている。だけど淀の芝1200mはまだレコードホルダーだもん。

10月24日、彼女に会いにいってきた。

引退して2年後だっただろうか、最後に会ったのは。すでに真っ白くなっていたバーリンは、栄進牧場を出て、同じ浦河町内の別の牧場に移動していた。

すでに離乳も終わり、バーリンは3頭で一枚の放牧地に放されていた。「遠いから」と、引き手をつけて、バーリンを目の前まで連れてきてくださった。なんという光栄!ヒザを曲げるくらい腰を低くしてしまった。

バーリンは近づくとそばかすみたいな褐色の斑点まじりで、神々しいほどにまっ白。そして、すっかりおっ母ちゃん体型。スタートはイマイチながらも純然たるスプリンターだった面影がちょっと見当たらないくらい。彼女を包む雰囲気はとてもやさしくて、穏やかな顔をしている。

靴底の重力からうっすら逃れて、バーリンが競馬場を駆けていたあのころ、20代のころに戻ったような錯覚をおぼえる。

 

101024_浦河にて_エイシンバーリンおデコ〜耳のアップ

101024_浦河にて_エイシンバーリンおデコ〜耳のアップ

すぐ隣の現実という名の息子が危険行為に出る(‘A`)

犬は近づくとビビるくせに、つい先日も馬に平然と手を出して鼻筋を撫でていた息子は、見た目からしておとなしいバーリンにすぐさま手を出した。バーリンも頭をぐっと下げ、息子の手の届く位置でじいっとしてくれた。

もう泣きそう。バーリン超かわいい。

しばらくエイシンバーリンの名は競馬場では目立っていなかった。バーリンの仔は、バーリンほどの名牝に馳せる思いとはちょっと悲しいギャップの現実。

ヒシアマゾンなんかもまさにそれで、アドマイヤムーンやスリープレスナイトの大活躍には歓喜した半面、すこーしだけ悲しかった。Katiesの血統はもちろんいとおしいけれど、ヒシアマゾン直系、いや、せめてヒシピナクルやヒシレイホウら、日本で走る姿を観た馬たちの仔であればなぁと贅沢を思った。

バッカ、ナリタブライアンなんかもはや直仔には夢のかけらもないのに。本当に業の深い生物だなと落ち込んだりして。

 

101024_浦河にて_エイシンバーリン全身

101024_浦河にて_エイシンバーリン全身

バーリンの仔が走らない理由のひとつかもしれないお話をうかがった。

エイシンバーリンは一匹狼タイプだそうで、放牧地では威張るでもいじめられるでもなく、「ワタシは放っておいて」という空気を漂わせているポツンさんで、出産をするとたいへんな子煩悩になり、我が仔を他の仔馬たちと遊ばせることすらしたがらないんだそうだ。ここまでの馬も珍しいという。

やさしい顔をしたスプリンターは、仔どもにメロメロのやさしいママになっていた。

結果としてそれは残念なことにつながっているのかもしれないけれど、そのお話じたいには、じーんとする。

昨年の重賞勝ち馬の母となった繁殖にケリを喰らい、さすがに耳を絞ったバーリンとは、おいとますることにした。

当歳の放牧地へもお邪魔させていただく。

10頭いるかどうかの離乳っ仔たちに、芦毛が3頭も!なんと珍しい。

101024_浦河にて_エイシンバーリンの仔_ちらっ

101024_浦河にて_エイシンバーリンの仔_ちらっ

1頭がチチカステナンゴ、そして1頭がバーリン×スペシャルウィークの牡馬で、芦毛!でかした!

一方、ファンたちがみんな一様に芦毛と信じたエイシンバーリン×クロフネ(2009年出生)は、なぜか鹿毛だったり。少なくともホモ芦毛ではないようだ。

※ホモ芦毛:ホモ接合型の芦毛遺伝子をもち、すべての産駒が芦毛に出る。日本でも供用され、ハシルショウグンなどの産駒を輩出したメンデスがまさにそれで、「メンデスの法則」はここが起源とされる。(注意:一部ウソです。マメだよ〜メンデルだよ〜)

101024_浦河にて_エイシンバーリンの仔_正面

101024_浦河にて_エイシンバーリンの仔_正面

バーリンの当歳のオトコのコは、うーん、スペシャルウィークの方に似ているかもしれない。距離はもちそうに見える。気がするだけだけど。相馬眼とかわずかも培われていない。

牧柵から突き出してくるプニプニの鼻面にはピンクがかかっていて、とってもかわいい(鼻先の白は決定的に弱い)。

そっかぁ、ママが走っていたのは、もう11年も前のことなんだね。あなたのママがどんなにかわいくて速くて愛されたのか、わたしの説明だけじゃきっとわからないね。

競馬場に行けば、ママの偉大な蹄跡を思い知るよ。そしてキミがどれだけ注目されるかをね。

絶対に元気で、競馬場で会おうね。

むむ、一緒に放されている栗毛大流星(ドストライク)のコが気になって仕方ない。その姿かたち、もしや‥‥‥?

 

101024_浦河にて_トップガンの仔当歳

101024_浦河にて_トップガンの仔当歳

「マヤノトップガンなんですよ」

キャー!

「出た(生まれた)瞬間、似てる!って思いましたね」と笑う。うんうん、似てる〜!めっちゃかわいい。パパに追いつけ追い越せな活躍を祈りながら、やっぱり競馬場で待ってるよ。うひ〜、かわいい〜かわいい〜かわいい〜(栗毛大流星命)。

息子を身ごもった2003年以 降、住民票を移せと言われたほど通った日高から足が遠のいていた。いや、行ってはいたか。父母と慕う夫婦の牧場に泊まりがけでは出かけたが、そこから離れ るのは、ビワタケヒデの見学と、ナリタブライアン記念館くらいだった。3年ほど前だっただろうか、どうしてもお礼が言いたくて、ダイタクフラッグの生産牧場にお邪魔したくらいで、あとは知人の牧場にお茶を飲みに上がっては仔っこを見せてもらったり、ビワタケヒデの暮らす牧場で生まれた仔っこたちを見せてもらったり。現役の繁殖馬を主目的とした繁殖牧場の見学にうかがうという機会がなかった。

日々の生活だけでどうしようもなくヤラれてはいるけれど、息子は幸いにも馬好きに育った(育てた?)。また、ぼちぼちとでも、かつてのわたしの名馬たちとの再会を楽しみに行けるようになればいいなと、紅葉にたたずむバーリンとの再会にはずんだ胸を押さえて、強く思った。

まずは来春、どうか無事に、タイキシャトルとの元気な仔を。

願わくば芦毛のかわいいスプリンターを。

*おまけ。重賞勝ち馬の母はやっぱりケリも強いw バーリンにメンチ切ったのは、2009年福島記念を勝ったサニーサンデーの母であり、2冠馬サニーブライアンの妹である、サニークラシックさん。気の強い女の子、好きです。

 

101024_浦河にて_サニークラシック

101024_浦河にて_サニークラシック


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