〜long as grass grows,water runs

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コスモバルクお披露目

Posted on 10/10/2010 21:24 by なわでいず
100920_2札4_コスモバルクお披露目_04

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わたしたち道産子(ドサンコ:北海道で生まれ育った者を指す)にとってのコスモバルクは、平成のハイセイコーだったのかもしれない。

ありがとう。大好きだよ、バルク。

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9月20日、2回札幌4日目。歩けってな距離に越してきて5年、はじめて札幌競馬場へクルマを飛ばした。お目当てはメインの重賞ですらなく、最終レース終了後のコスモバルクのお披露目。

東京と帯広から駆けつけた友人たちと、急に冷え込んできた札幌競馬場のパドックで、バルクを待った。ゴールデンウィークには門別競馬場で催されたバルクの引退式でもお会いしたねぇ、ゆかさん。もっとも、わたしもばんえい帯広の帰り道だったね。

 

100920_2札4_コスモバルクお披露目_01

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馬道からコスモバルクが出てくると、あたたかな空気がパドックに流れた。

これなんだ。北海道でバルクを囲む空気は。

バルクとの歴史を振り返って、まずはファインダーではなく、肉眼でしっかりとバルクを見た。

前エントリで記しているのだけど、2002年のクラシック終了と同時に、わたしは競馬からフェードアウトしようとしていた。翌年はシンガポール競馬にかじりつき2度遠征、函館までマチカネウコン(Theatrical×Katies、全姉ヒシアマゾン)の初勝利を見届けには行ったけどさ。

それも妊娠からはじまった壮絶なつわりとの戦いに挫折、もはや競馬から遮二無二切り離されたも同然だった。

そんなおり、出てきたのがコスモバルクだった。

 

100920_2札4_コスモバルクお披露目_02

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当時のわたしはあまり詳しいことを調べていなかったのだけど…多くのニーズがありながら許されなかった外厩制度をいち早く取り入れた道営ホッカイドウ競馬に所属して、システムの改善要求への嘆願をも担い、バルクは走った。

ある調教師がおっしゃっていた。

「地方(競馬)に行くと、中央の施設で調教したらもっとよくなるだろうと思える馬を見かける」
かの名調教師は、バルクにも感じてくれていただろうか。

実はダートは苦手で、ケイコでは時計が出なかった。地元よりも中央の芝の方がバルクには向いていた。移籍させた方がバルク自身にとってはよかったかもしれないと思わずにはいられない。それでも、岡田総帥が追い求めた夢は決して責められるものではない。バルクへの信頼あってこそ、そうさせたのではないか。岡田総帥の夢をしっかと背負い、バルクは走った。

そして、わたしたちの夢も。

シンガポール遠征時は、競馬から離れていたわたしも動向を逐一調べた。クランジで走ることの過酷さを心配した。こんな北の果てから、あんなに暑い土地へ赴いて(わたしが最初に行った日のナイター中継では「今夜は33度だよ!」と言っていて気を失った)あの雰囲気のなかで闘ったのだ。あの勝利を知った夜の甘美は、いつまでも忘れない。

カク地で重賞を勝って、キングカメハメハ、ダイワメジャー、ゼンノロブロイ、ハーツクライ、アドマイヤムーン…名だたる名馬たちと肩を並べて駆けた。

札幌日経オープンに出走した日、わたしは盛大に出遅れて、競馬仲間たちから「バルクのレース」がどんなものだったか教わった。

スタンド前を通過するとき、客席からはあたたかな拍手が沸いたという。

そんなレースを見せてくれる馬は、めったにいない。

コスモバルクは、わたしたち道産子に燦然と輝いた。

1着でなければ何着でも同じだと言う人もいる。

だけど、牡馬クラシック三冠の皆勤や、ジャパンカップの2着は、どれだけ拍手を贈ったっていいと思う。本賞金が足りていても、規定上どうしても権利取りに臨まなくてはならなかった。JRAの立派な施設でケイコを積んだわけでもない。億単位で取引された馬もいるようなサラブレッド中のサラブレッドともいうべく中央の馬たちと互角に渡り合い、蹴散らす様は、痛快だった。

札幌開催で朝っぱらから某JRA騎手が(五十嵐)冬樹をケズっていたらしきレースでは、明らかにそれがファンにも見られたようで、たくさんの罵声が飛んだ。こんなにもナショナリズム丸出しのなんちゃって政令指定都市札幌市民であることが、無性にうれしく感じられた。

中央の馬も、地方の馬も、生まれたところは同じだったはずなのにね。

運命も、血統も、あなたを所属地で格付けはできなかった。

そして、わたしたちがあなたへ声援を送るのは、出会ったからには必然だった。

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周回するうちにわたしの思い出は出し尽くし、バルクはツル首になり、すっかり気合がのってしまった。

雨が降っていて脚抜けが良さそうだから、今日くらいならダートだけどメイン(エルムS)に出ても勝てるんじゃないかって話して、笑った。笑ったけど、本当にありえなくもないんじゃないかと思っていたのは、きっとわたしだけじゃない。

馬券で泣かせてごめんなさいと謝り、種牡馬にとの声もあったけれど功労馬になってもらったとおっしゃる岡田総帥。岡田さんがバルクを反故にすることは決してないだろう。ビッグレッドの放牧地でのんびり草を食む鹿毛は、岡田さんの夢そのものなのだから。

『大宇宙』と漢字表記されたコスモバルク。たしかに、道産子はあなたに宇宙を観たんだ。

超大事にしてもらう権利を、あなたは全力でつかみ取った。わたしたちが証人だ。

超よけいなお世話です


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