タイタニックよりゴムボートのローリスク
ホリエモン、起業のススメ 「事業を興すのが一番安全で確実」
http://news.livedoor.com/article/detail/4583089/
というニュースを読み、なるほどなぁと思っていた矢先、
EC関係者の集いで、会計士であり、大学の講師も務める
コンサルタントとして活躍する方の講演を聞く機会を得た。
（日経プレジデントに寄稿していらっしゃる方だった）
その方もほぼ同じことをおっしゃっていた。
デフレスパイラルを止めないのはわたしたち自身。
高く売りたいけれど、安く買いたい。
体力勝負、下ほど泣きを見るご時世。
では、なぜ100円マックがうまくいったのか。
なぜ追従する商戦がことごとくコケたのか、
ニトリがキライだ、ユニクロなんか嫌いだと
笑いを取りながら、ユニークな語り口の正論を吐く。
起業して、大躍進を遂げて、自社ビルを建てて。
現代でそんなの間違ってる、という。
ああ、そうかもなぁ、いまの世の中。
吉野家の成功例がよぎる。
借地にリース、とにかく固定資産を徹底して持たなかった。
財産といえる財産は現金きりだと聞いた。
狂牛病騒動のさなか、吉野家はそれでも従業員に一年間の
給与を支払えるだけの現金があると言っていたことを思い出す。
地球規模で見るとしょせんはちっさい単位である会社だけでなく、
もうちょっと大きな単位でものを見たのか、コケるときのリスクが
低いというメリットが生きたんだろう。
すげーな。
「技術には正当な対価を」という考えが、数年前から若干はついてきた。
ドメイン取ってホームページをつくることができる。
いま、そんなの、多くの人ができる。
web制作なんて仕事は足元をみられてしまうのもやむを得ない側面もあろう。
アクセス解析からSEO対策まで万全のサイトを構築したと
説明してもわかってもらえない、
「パソコン詳しいよね」と、購入時のセットアップから
気軽に頼んでくる自称友人、
「フォトショップ使ってるよね、簡単だよね」と、
自身の仕事のプロフィール写真の加工を、徹夜明けの
わたしに頼んでくるやっぱり自称友人、
夕飯どきうちにやってきて、「ダンナいないからごはんまだでぇ〜」
当たり前に供して、当たり前に食べられて、
「友だちに頼まれた仕事を受けたら『謝礼っていくらくらい？』だって。自分で調べてきちんと払えって」とこぼして帰るオマケつき。
だけどわたしにはお礼の一言を放つだけでオシマイ。
フェードアウトを目論んだ当初は、ストーカーかと思うくらい数分おきに電話が鳴っていたこともあった。コワイよ。
はずなのに、タイヤ交換がもっとも安いオートバックスを狙い、
週末の買い出しには安い郊外店へ車を走らせてガソリン代が
ペイできるまでさんざん買いためて、
ホームベーカリーが壊れたけれど出張料が高いとこぼす。
コスメランドでほとんど化粧品の購入を済ませてしまうのもソレ。
もしわたしがガツンと儲かったら、憧れの土地に理想的な
ビルを建てて、さも殿様のごとく大股で闊歩するだろう。
問題は買えるかどうかではなく、保持できるかどうかで、
裸の王様一直線の思考回路が、信念などないわたしには、ひたすらアレだ。
