〜long as grass grows,water runs

naritabrian.com


家出記念日。

Posted on 27/02/2010 23:26 by なわでいず

あなたがわたしを飛ばせた。

…と、いまでも思う。

「あの日」も、土曜日だったなぁ。

 

行ってよかった、行かなければ現在のわたしのスタンスの
多くが変更されていただろう出来事が
11年前の今日、あった。

 

1999/02/28/ 愛知・中京競馬場にて 南井克巳騎手ラストライド

1999/02/28/ 愛知・中京競馬場にて 南井克巳騎手ラストライド

1998年秋、信じられないニュースが飛び込んできた。

大好きな南井克巳騎手が引退の意向を示したのだ。

もはや南井騎手と言えば子息の大志くんを指す。

わたしにとって唯一無二の「南井さん」である南井克巳師が
騎手だった時代を知らない競馬ファンで競馬場があふれてるの
かもしれない。

次は調教師としてもっともっと活躍して脚光を浴びる予定…

それはとてつもなく大きな出来事だった。

札幌に住むわたしは、300km弱ほど離れた函館にすら行った
ことがなく、遠い競馬場はテレビで観るものという概念が
がっちりこびりついていたから。

その上、人見知りで小心者、寝床が変わると眠れない性分で、
それでいて一ヶ月前にははじめて遠征をしたばかりだった。

 

G1に昇格してはじめてのフェブラリーSが、南井騎手の
わたしが観られる最初で最後のG1騎乗になる予定だったので
東京へ向かったのだ。

けれどウイングアローの回避で南井騎手は関西に居残りが決定。

事前にわかっていたけれど、迷ったあげく、東京へ向かった。

 

メイセイオペラがカク地としてはじめてJRAのG1を制覇すると
いう偉業を目の当たりに感動はしても、
本当にこれでよかったのかという疑念は日をまして重たくなる一方。

日程的にも、また財政的にも、正直あり得なかったのに
金曜の夜にJALに電話をかけてチケットを押さえ、
翌土曜の朝には関空に降り立っていた。

それが、1999年2月27日のことだった。

冷たい六甲おろしの洗礼を浴びながら、
こめかみに吹き飛ぶ涙をぬぐう間もなく
阪神での騎乗と、若手たちの胴上げを観て、
胃けいれんに悶えながら、
翌日騎乗予定の中京へ向け新幹線で名古屋に向かった。

 

ちなみに、このとき、愛知県がどこにあるかも知らなかった

「たぶん名古屋の空港」からフライトした記憶もほとんどない。

 

それからのわたしときたら、あらゆることを犠牲にしても
遠征することが至上の歓びになってしまった。

見知らぬ土地を歩く不安まじりの高揚感に酔いしれ、
ふだんはメールでやりとりするだけの友人たちとの再会、
おいしいものを食べて、開門ダッシュで横断幕を出して
日がな一日競馬場で全力で泣いて走り回って。

たくさんの犠牲はたしかに出した。

けれど、得たかけがえのないものは、数えきれない。

何より、取り返しのつかない思い出と、

ひたすらそれだけを追うことのできる自身との出会いは、
後々のわたしに大きな影響を与えた。

当時から好きだったノリちゃん(横山典弘騎手)の、ますますの
ご活躍はとてもうれしいけれど、いまも、これからも、ずっと2番手。

ナリタブライアンと南井克巳騎手は、一番手を誰にも譲らない。

写真は、翌28日中京競馬場11R白川郷ステークスのゴール後

南井克巳騎手ラストライド有終の美を飾った
リキアイワカタカの背上にて


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